芸術には誤謬があるかもしれないが、自然には誤りはない。

どうもどうもこんばんは、りょーさけです。


古き良き新潟の酒らしさをを洗練された形で守る笹祝を頂きながら、ブログの本題(?)について久しぶりに触れてみたいと思います(笑)


本題とは例の「天然(自然)VS人工」ってやつです。

未だに「なんであんなに喧嘩腰だったのだろう…。」とふと思い返して恥ずかしく、また申し訳なくなるのですが…(;´∀`)


(※初めの頃の記事を読んでいない方のために補足しますと、私は最初の頃の記事である雑誌に載っていた意見に対し非常に雑に喧嘩を売るような形で物を言っていました。)




さまざま思うところはあるのすが、よくまとまらんので私の頭の中での行ったり来たりをできる限りそのまま書いていこうかと思います( ´∀`)




自然。自然的。なんでそれがいいんだろう。

何となくそう思っているからじゃないのだろうか。

例えば今日のタイトルにしたドライデン(イングランドの詩人)の言葉のような根拠はないけど耳障りの良いフレーズがやっぱりどこかできいてるんじゃなかろうか。


だって、「自然である」ということは「旨い」ってこととは関係がない。

そこがわからない。

酒は嗜好品だ。「旨い」=「良い」のほうが断然しっくりくる。

なんで大変な労力を費やして失敗するかもしれない自然的なもののほうがウケるんだろう。


(あっ、念の為言っておきますが僕は自然的なもの派でも人工的なもの派でもありません。あえてわかりやすさのために具体的に便宜的に言い換えるならば、「新政派」でも「獺祭派」でもありません。


検討のために順番にどちらの立場にも立ちます。どちらも安易に肯定できません。

というかむしろ上記のような酒蔵のように極端なスタンスを取れない中小規模の酒蔵はみんなこの間で揺れ動いているように思います。個人的には。)


っていうか自然って何。人工って何。

上で新政を自然的なもの派とかって恐れ多くもカテゴライズしてるけど、本当にそうなの?

その土地の米を使ったり、その土地で育った木で桶を作ったり、その蔵の乳酸菌を活かしたり…って確かに自然に近いけど、でもそれでも十分人の手を加えてるよね。

獺祭を人工的なもの派なんて言っていいのだろうか。新政を自然的なもの派とカテゴライズするよりは真実に近いような気がするけれど、でもいくらコントロールしてるつもりでも相手が麹菌や酵母菌であることは変わらない。その意味では自然的なものも要素に入ってる…。


いや、だからそこがはっきりしてないんだよな。

100%自然的なものと100%人工的なものってのがなんだかわからないと議論をしようがない。

対象が定まってないのにああだのこうだの言っても仕方がない。


ああ全然進まない。

設備のない蔵の火入れ作業くらい進まない。議論が。

牛歩のようだ。しかも3歩進んで2歩下がる。

いやむしろ2歩進んで3歩下がってる。


いや、議論がちゃんと定式化されてないのに進むも下がるもない。

つまり、アレだ。

ウロウロしている。

自然的なものと人工的なものを巡って徘徊している。


だからなんなんだ(;´∀`)ああいやだ。

だから考えるの向いてないんだ。向いてなくてもやるけど。



戻らなきゃ。

100%自然ってなんだ。

口噛みか?

その土地でたまたま育った米をかき集めて、その土地で育った美女の唾液で糖化させて、あとは放置されてたまたま酵母が住み着いてアルコール発酵が行われて酒ができたらそれが自然なのか。

そんなもん飲みたいか?

それ、旨いのか?

ただのギャンブルじゃん。

というかそんなもん「酒造」になりえない。


これはナンセンスだ。たしかにこれでやったら確実にその土地の特性はその酒に発現しそうな気はする。

ただ難点がある。

全高47都道府県でやったとして、多分片手で足りるくらいの数しか飲めるものにならない。

商売にならない。誰も幸せにならない。



じゃあ100%人工って?

遺伝子工学、農学、その他科学的手法を用いて「一番旨い(と思われる)酒の設計図」を書いて、全くおんなじ性質になるように米を作り育てて、精米~上槽に至るまでまったく同じルートをたどるように操作する感じ?

これまた現実的じゃない。

そしてこれが肝心だが、できたとしてそれでみんなにウケるかと言ったらそうではない。

酒の成分は同じでも、受け取る側の味覚は同じじゃない。

いい設計図があったとして、実現できたとしてもそれもまた「旨い」とは関係がない。




ああ、穏当で安易な結論に行きたくなる。

「結局自然と人工のバランスなんでしょ。」っていう。


いや、でもそれだけじゃ答えになってない。それは議論の結論ではなくて出発点であるはずでしょう。

ああわからない。





はい、もうわかりません。

こんな感じの葛藤が一日三回ほど発作のように私を襲います。

なんでしょう、夜のお酒大好きな人達はできるだけうまいものをできるだけ自然的につくってくれと思ってるんでしょうか。

木桶とか生酛とか、自然のたまたまで起きる品質のブレを愛せる程度に基礎的な品質が確かなものをつくれと?

なんやねん(;´∀`)わからん(;´∀`)

投げ気味ですが笹祝飲み干して寝ます!

次回はもう少し整理して書きます。たぶん(・∀・)

さけライフ

新潟の酒蔵に勤める酒好き男が酒についてつらつら語るブログです!

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